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機械翻訳とは? 3つのシステムとメリット・デメリット

コンピュータで翻訳を行う“機械翻訳”は、近年精度が上がったといわれており、グローバルに活躍する企業においても、機械翻訳を活用するシーンがあると考えられます。

しかし、「機械翻訳で本当に正しく翻訳できるのか知りたい」「機械翻訳のメリットとデメリットを把握しておきたい」という担当者の方もいるのではないでしょうか。

この記事では、機械翻訳の概要をはじめ、メリット・デメリットについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.機械翻訳とは
    1. 1.1.①ルールベース機械翻訳
    2. 1.2.②統計的機械翻訳
    3. 1.3.③ニューラル機械翻訳
  2. 2.機械翻訳のメリット
    1. 2.1.①コストを安く抑えることができる
    2. 2.2.②翻訳スピードが早い
  3. 3.機械翻訳のデメリット
    1. 3.1.①正確性が保証できない
    2. 3.2.②機械的な表現になる
    3. 3.3.③セキュリティが十分ではない
  4. 4.まとめ



機械翻訳とは

機械翻訳とは、人を介さずに機械が行う自動翻訳のことです。

データベースに内蔵されている膨大な単語と訳文のなかから、訳出する語句や文章に最も近い訳文を提示します。

スマートフォンで利用できる無料の機械翻訳サービスも登場しており、最近は、より身近な存在になりつつあります。

また、ビジネスシーンにおいても、日本国内の店舗や施設などで、外国人とコミュニケーションを図るために導入されています。

ここからは、機械翻訳を行うシステムを3つ紹介します。


①ルールベース機械翻訳

ルールベース機械翻訳は、人が事前に設定した文法・構文のルールのほか、過去の翻訳に基づき翻訳結果を導き出すシステムです。

用例辞書や単語辞書を利用しているため、正しい文法でない場合は正確な翻訳ができません。


②統計的機械翻訳

統計的機械翻訳は、蓄積された対訳データを利用して適切な翻訳データを出力するシステムです。

システムを高性能にするためには大量の対訳データが必要になります。


③ニューラル機械翻訳

ニューラル機械翻訳は、機械翻訳を飛躍的に高いクオリティへ進化させたシステムです。

脳神経細胞活動をモデル化した“ニューラルネットワーク”を採用しており、システム自身が学習しながら文章全体を考慮して翻訳するため、自然に近い訳文になります。

しかし、どれだけ自然に近い訳文でも、誤訳や訳抜けが発生することはあります。そのため、これらの機械翻訳が完璧とは言い切れません。

そこで重要になるのが、機械翻訳で翻訳した文章を人が原文と照らし合わせてチェックする“ポストエディット”と呼ばれる作業です。

ポストエディットの必要性やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読ください。

  ポストエディットとは? 翻訳に必要な理由とメリットを解説 コンピュータで自動翻訳する機械翻訳の浸透に伴い、“ポストエディット”と呼ばれる翻訳作業の重要性が増しています。ポストエディットを適切に行うことで、機械翻訳のスピード感を維持したまま、人手翻訳の高い品質を実現できます。 この記事では、ポストエディットの基本概要や翻訳に必要な理由、メリットについて解説します。「機械翻訳をする際にポストエディットが必要か知りたい」「ポストエディットのメリットについて把握したい」と考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。 株式会社インターグループ




機械翻訳のメリット

ここからは、機械翻訳の2つのメリットを紹介します。


①コストを安く抑えることができる

機械翻訳は無料で提供しているサービスもあるため、コストを安く抑えることができます。翻訳したい文章を貼りつけるだけで結果が出るという手軽さも特徴です。

また、より精度の高い翻訳を希望する場合は、有料版を使うことも一つの方法です。翻訳家へ依頼するよりもコストを抑えられます。


②翻訳スピードが早い

機械翻訳は、人手翻訳よりも翻訳スピードが早いことがメリットです。

通常、人手翻訳は1日で1,500〜2,500語の翻訳が目安といわれていますが、機械翻訳を使えば数秒~数十秒で翻訳が可能です。大量の文章を入力しても高速で結果が返ってくるため、翻訳業務の効率化を図ることができます。



機械翻訳のデメリット

機械翻訳は、翻訳時のコストやスピードにメリットがある一方で、デメリットも存在します。


①正確性が保証できない

機械翻訳は、人手翻訳よりも正確性を保証できないことがデメリットです。

有料版は無料版よりも精度の向上が期待できるほか、専門的な文章に対応している場合もあります。しかし、機械による翻訳であるため、翻訳ミスや細かいニュアンスの違いが生じることが考えられます。その結果、伝えたい部分が相手に伝わらないことがあります。

機械翻訳は、翻訳者による最終チェックで修正が必要になることがあるため、本来の意味を伝えるという面では不十分だという認識を持っておくことが重要です。


②機械的な表現になる

高性能な機械翻訳を利用しても、人間の心理を理解した翻訳はできません。

人手翻訳では、文字のバランスや配列、ニュアンスを伝わりやすい形に変えることが可能です。しかし、機械翻訳では文章の真意までは読み取れないため、直接的な表現となり、自然な言い回しの翻訳はできません。

企業の商品やサービスをインパクトのある表現で売り出したとしても、機械翻訳では一般的な単語と表現に置き換えられてしまいます。


③セキュリティが十分ではない

無料版の機械翻訳を使用する場合は、セキュリティに関するデメリットがあります。

たとえば、翻訳データが機械翻訳提供元のサーバに残ってしまったり、情報が流出してしまうリスクが懸念されます。

このようなリスクを回避するには、データの暗号化、ウイルスチェックなどのセキュリティ対策が施されているか注意することが大切です。

そのほか、重要なプロジェクトや機密文書の翻訳は、高水準のセキュリティ管理が確保された翻訳代行サービスを利用するのも一つの方法です。



まとめ

この記事では、機械翻訳について以下の項目を解説しました。

  • 機械翻訳とは
  • 機械翻訳のメリット
  • 機械翻訳のデメリット

機械翻訳はコストが安く、翻訳スピードが早いことがメリットである一方、正確性が保証できず機械的な表現になるというデメリットがあります。

機械翻訳は、簡単な文法だけが使われている文章を翻訳する、または翻訳家が最終チェックをするのであれば有用です。そのため、使用時は翻訳の目的とマッチしているか確認することが必要です。

インターグループ』では、品質を重視した翻訳サービスを提供しています。幅広い分野と多言語に対応しており、高品質な翻訳が求められる海外向けの広報物でも多数の実績があります。

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