【通訳の種類】特徴と活用シーンをまとめて解説
グローバル化が進む現代社会では、異なる言語を使用する人同士の円滑なコミュニケーションをサポートする“通訳者”が必要です。
通訳形態は、同時通訳・逐次通訳・ウィスパリング通訳の3種類に分けられます。ビジネスで通訳を利用する際は、特徴や活用シーンなどを参考に選ぶことが重要です。
しかし、「通訳にどのような種類があるのか知りたい」「通訳の依頼を検討しているがどれを選べばよいか分からない」と悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、通訳の種類と特徴を詳しく解説します。
なお、近年ではWeb会議システムや遠隔同時通訳システムを利用して、遠隔地にいる通訳者から通訳音声を送ってもらう“リモート通訳サービス”も注目されています。リモート通訳に関する情報は、こちらの記事でご確認ください。
同時通訳
同時通訳とは、通訳者が話し手の言葉を聞きながらリアルタイムで通訳する方法です。
同時に“聞く”と“訳す”を行うため、高い集中力が求められます。そのため、複数人で担当するのが一般的で、15分程度で交代しながら通訳を行います。
また、話し手の言葉を聞きながら通訳するためには専用の機材が必要です。近年は、オンライン会議に適した同時通訳システムも多く登場しており、パソコンやスマートフォンなどの端末を利用して通訳音声を聞くことも可能です。
通訳者は、別室や防音設備が整っているブースなどに入って、ヘッドホン・イヤホンで話し手の声を聞きながらマイクから通訳音声を送ります。
話し手は耳元にレシーバーやイヤホンなどを付けて通訳者の声を聞きます。タイムラグなしで訳された言葉を聞くことができるため、通訳の影響で会議の時間が長くなるといった懸念点を排除できます。
同時通訳は、大人数が参加するような国際会議やシンポジウムなど、スムーズに会議を進行させたい状況で利用されています。
▼同時通訳の主な活用シーン
- 大規模な国際会議
- シンポジウム
- 株主総会
- パネルディスカッション
- 学会
- 記者会見
逐次通訳
逐次通訳とは、話し手がある程度の長さまで発言したあとに通訳者がまとめて通訳する方法です。
話し手と通訳者が交互に話すため、リアルタイムで訳す同時通訳よりも正確に伝えやすいというメリットがあります。
また、切りのよいところで話し手の発言が止まるため、同時通訳と比べて会議や商談などの時間がかかります。
一方で、時間効率が求められる場面では不向きであることから、同時通訳との使い分けが重要です。
▼逐次通訳の主な活用シーン
- 少人数の対談
- 会議室での商談
- 社内会議
- オンライン会議
- 施設の視察・見学
- 意見交換会
- ワークショップ
ウィスパリング通訳
ウィスパリング通訳とは、話し手の言葉を聞き手の耳元でささやくように通訳する方法です。聞き手のみに聞こえるようにささやくことから“ウィスパリング”と呼ばれています。
ウィスパリング通訳は同時通訳と似ている手法ですが、聞き手の背後に立ってリアルタイムで訳すため、専用機材は不要です。
通訳者は直接マイクを通さずに話しかけるため、1~3人程度の少人数の場面で利用されています。また、ウィスパリング通訳も同時通訳と同じように、業務に就く時間が長時間にわたる場合は複数人で担当するケースもあります。
1対1で対話をする場合は、スピード感を持ちながら会話ができるためウィスパリング通訳が重宝されています。
▼ウィスパリング通訳の主な活用シーン
- 少人数の会議・商談
- 通訳が必要な人が少ない場面
- 単独インタビュー
まとめ
この記事では、通訳の種類について以下の内容で解説しました。
- 同時通訳
- 逐次通訳
- ウィスパリング通訳
一口に通訳といっても、同時通訳・逐次通訳・ウィスパリング通訳という方法があり、それぞれで異なる特徴があります。
種類 |
特徴 |
活用シーン |
同時通訳 |
|
大人数が参加する会議やシンポジウム など |
逐次通訳 |
|
内容を正確に伝えたい商談や施設見学、ワークショップ など |
ウィスパリング通訳 |
|
通訳言語の種類が少ない会議や商談 など |
大人数が参加する会議や講演会では同時通訳、より正確な通訳を求めるのであれば逐次通訳、少人数の対話ではウィスパリング通訳というように、状況に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
『インターグループ』では、約3,000人の通訳者が在籍しており、オフラインだけでなく、オンライン会議やウェビナーなどにも対応可能です。
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