通訳と翻訳の違いは? それぞれの業務内容を詳しく解説
企業がグローバルなビジネス展開を成功させるためには、自社商品・サービスの魅力を正しい言語で伝える必要があります。
言語の異なる海外企業とのビジネスシーンにおいて、通訳や翻訳を活用しようと考えている企業も多いのではないでしょうか。
通訳と翻訳は、どちらも言語変換を行う業務という共通点はありますが、それぞれに求められるスキルや業務内容などが異なります。
この記事では、通訳と翻訳の基本的な業務内容と、それぞれの違いを解説します。
「通訳と翻訳の違いを把握したうえで、自社に必要な代行サービスの利用を検討したい」と考えている担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
通訳の業務内容
通訳は、話し手が話した内容を聞き手が求める言語に置き換える仕事です。発言された内容を、同時あるいは逐次的に別の言語へ置き換えていきます。
通訳に求められるスキルは“高い聞き取り能力”です。一般的に、リアルタイムで進行している会話が対象になるため、専門性の高い用語を即座に理解したうえで、別の言語に変換する能力が求められます。
通訳には、主に3つの種類があり、依頼人のニーズや場面によって使い分けられます。
①同時通訳
同時通訳は、話し手の声を聞きながら同時進行で通訳する方式です。
一般的に、国際会議や講演会など、話し手の言葉をスピーディに聞き手に伝える必要がある場面で用いられます。
話し手の発言を瞬時に聞き手に伝わる内容に訳す必要があるため、難易度は極めて高いといえます。また、高い集中力を要する作業のため、専用ブース内で複数人の同時通訳者が交代制で行います。
②逐次通訳
逐次通訳は、話し手が話を止めたタイミングで、話の内容をまとめて通訳する方式です。
同時通訳と違い、話し手と通訳者が交互に話すため、スピード感では同時通訳に劣ります。
一方、通訳の精度が高まりやすいことや、聞き取りやすいことなど、同時通訳とは異なるメリットもあります。
③ウィスパリング通訳
ウィスパリング通訳は、通訳を必要とする人の耳元でささやくように通訳する方式です。通訳の仕組み自体は同時通訳と同じです。
一般的には、通訳を必要とする1~2名の少人数を対象に利用されます。長時間にわたる場面では、複数人が交代制で業務を行うのが一般的です。
3種類の通訳方式や利用シーンについては、こちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。
翻訳の業務内容
翻訳は、1つの言語を用いた文書や動画を別の言語へ正確に訳す仕事です。
誤訳や訳漏れの修正だけでなく、細かいニュアンスのチェックも行うため、双方の言語への理解とともに、優れた文章力も求められます。
たとえば、文書の翻訳とひと口にいっても、その内容はさまざまです。一般の人が閲覧する文書から高度な専門書まで、その範囲は幅広く、高い専門性や知識が求められる場合もあります。
▼翻訳の対象例
- 映画・ドラマ
- 契約書
- 社内資料
- 特許関連文書
- 仕様書
- 技術文書 など
また、近年はAI技術の発展に伴って機械翻訳の精度が格段に向上しているといわれています。翻訳で機械翻訳を利用する場面もありますが、細かいニュアンスや表現の仕方に関しては修正が必要です。そのため、人の手によるチェックが欠かせません。
なお、機械翻訳の基本概要やメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。興味がある方は、併せてご一読ください。
通訳と翻訳の違い
通訳と翻訳は、求められるスキルや業務内容、優先事項などが異なります。
▼通訳と翻訳の違い
通訳 |
翻訳 |
|
元となる情報 |
音声 |
文章 |
求められるスキル |
聞き取る力 |
読解力と文章力 |
優先されるもの |
スピード |
正確性 |
通訳は、発話された内容をリアルタイムで訳すため、スピードが求められます。また、会話の内容や発言の背景を理解する力、高いコミュニケーション能力も必要です。
一方、翻訳は、“誤訳やスペルミスがない”といった文章の正確性が通訳以上に重視されます。さらに、文章の読みやすさも求められるため、読解力のほか、適切に言語化できる文章力が必要です。
通訳と翻訳に違いはありますが、大前提として高い言語力が求められることは共通しています。
まとめ
この記事では、通訳と翻訳の特徴と違いについて以下の内容を解説しました。
- 通訳の業務内容
- 翻訳の業務内容
- 通訳と翻訳の違い
通訳と翻訳は、1つの言語を異なる言語に訳すという点においては同じです。一方で、求められるスキルや優先事項は異なります。
また、通訳は主に3種類に分けられ、それぞれに特徴があります。そのため、必要な場面に応じて使い分けることが重要です。
グローバルなビジネス展開を目指して、通訳や翻訳を外部委託する場合は、通訳者・翻訳者の選任が重要です。
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