【映像・出版・産業】3種類の翻訳の特徴について解説
自社商品やサービスの情報を海外へ向けて発信するために、無料の翻訳ツールを使用している担当者の方もいるのではないでしょうか。
しかし、事業に関する専門用語や独自の表現などを自然な文章に翻訳するには限界があり、最終的に手直しが必要になるケースも考えられます。
自然で精度の高い文章へ翻訳してもらうには、技術力のある翻訳者が在籍する代行サービスの利用が有効です。ただし、翻訳は大きく3つの種類に分けられます。そのため、企業に依頼する場合は、翻訳対象に合ったサービスを取扱っているか確認が必要です。
この記事では、映像・出版・産業という3種類の翻訳の特徴について解説します。
①映像翻訳
1つ目は映像翻訳です。映像翻訳とは、映画・テレビ番組・ドラマ・ニュースなどの音声や動作を別の言語に翻訳することです。
企業で作成したPR動画を海外へ向けて発信する場合は、映像翻訳として依頼します。映像翻訳は、主に字幕・吹き替え・ボイスオーバーの3種類に分けられます。
1.字幕翻訳
字幕翻訳は、映像内の音声や情報を指定の言語に翻訳して、音声に合わせて表示する手法です。分かりやすい例には、海外映画の字幕翻訳が挙げられます。
画面上に表示される文字を短時間で読むには限界があるため、できるだけ簡潔に伝えることが重要です。
簡潔で伝わりやすい字幕にするために、文字数や表現方法に以下のルールが設定されていることがあります。
▼字幕翻訳のルール
- 1秒間に4文字
- 1画面に最大2行
- 1行の文字数は最大13文字
- 句読点の代わりに半角スペースや全角スペースを使用
2.吹き替え翻訳
吹き替え翻訳とは、オリジナル映像の音声を、翻訳した言語に差し替える手法です。翻訳作業に加えて、音声収録で使う台本の制作も行います。例として、海外のアニメやドラマの吹き替え翻訳が挙げられます。
字幕翻訳のような文字数の制限はありませんが、オリジナル映像の音声に合った秒数や、口の動きに合わせた言葉選びを行うことが大切です。
3.ボイスオーバー
ボイスオーバーは、オリジナル映像の音声を小音量で流しながら、翻訳した言語の音声を被せて流す手法です。一般的には、ニュースやドキュメンタリーなどのインタビュー・ナレーションで使用されます。
文字数の制限がなく、口の動きに合わせる必要もないため、より多くの情報を伝えられます。また、オリジナル音声が残るため、言葉の抑揚や表現をそのまま伝えられる点も特徴です。
②出版翻訳
2つ目は出版翻訳です。出版翻訳とは、海外の出版物を日本語に翻訳したり、日本の出版物を指定の言語に翻訳したりすることです。文芸翻訳とも呼ばれていて、自社の書籍を海外で販売したい場合に利用できます。
翻訳対象となる主な出版物は、以下のとおりです。
▼出版翻訳の対象例
- 小説
- ビジネス書
- 実用書
- 自己啓発本
- 児童書
- 雑誌
- 歌詞
出版翻訳では語学力だけではなく、原作のテーマや文章のニュアンス、伝えたいことなどを正しく理解する力が求められます。訳注(※)をつけながら分かりやすい文章表現にすることが大切です。
また、ノンフィクションやフィクションに限らず幅広いジャンルの出版物が対象となります。ページ数やボリュームによっては、共同で翻訳する場合もあります。
※訳注とは、翻訳者がつけた注釈のこと。
③産業翻訳
3つ目は産業翻訳です。産業翻訳とは、企業が社内外へ向けて発行する書類や文書などを翻訳することです。
実務翻訳・技術翻訳・工業翻訳とも呼ばれていて、金融業界や医療業界、IT業界、特許業界など、幅広い業界の書類や文書を翻訳します。
▼産業翻訳の対象例
- 社内資料
- 特許関連文書
- 環境報告書
- ホームページ
- プレスリリース
- 契約書
- IR資料
- 製品の仕様書
- マニュアル
- 社会的責任報告書
社内で翻訳ツールを使って翻訳した場合、手間がかかるうえに正しい意味で翻訳されているか不安が残ります。そのため、産業翻訳を行う翻訳者に依頼する場合は、高い語学力に加えて、対象分野の専門知識を備えているかどうかの確認が重要です。
基本的には英語の翻訳が中心となりますが、代行サービスによっては英語以外の言語にも対応しています。世界各国に支社がある場合は、多言語に対応している代行サービスを探すことが大切です。
また、企業情報に関する文書を翻訳してもらうため、翻訳会社へ依頼する際はセキュリティ対策がきちんと講じられているかを確認することも重要です。
まとめ
この記事では、翻訳の種類と特徴について、以下の項目を解説しました。
- 映像翻訳
- 出版翻訳
- 産業翻訳
翻訳は、映像・出版・産業と3種類に分けられます。契約書やプレスリリース、仕様書などのさまざまな書類や文書を翻訳したい場合は、産業翻訳に対応している翻訳代行サービスを選ぶ必要があります。
また、翻訳会社は得意な分野や言語が異なるため、選定する際は事前に提供されているサービスや実績をチェックすることも重要です。
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