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プリエディットとは?機械翻訳に必要な理由を解説

機械翻訳を使われている方のなかには、訳出結果の品質が気になっている方・機械翻訳にかけたあとの手直しに時間が割かれている方も多くいらっしゃると思います。

こちらの記事では、機械翻訳を使いこなすポイントの1つ”プリエディット”とは何か、また、プリエディットが必要な理由、実際にプリエディットをする際のポイントも解説します。


目次[非表示]

  1. 1.プリエディットとは
  2. 2.機械翻訳にプリエディットが必要な理由
    1. 2.1.誤訳や訳抜けを減らすことが見込める
    2. 2.2.修正時間の削減が見込める
  3. 3.プリエディットをする際のポイント
    1. 3.1.省略されている部分を補う
    2. 3.2.ひらがな表記を漢字表記に変える
    3. 3.3.1文を短くする
  4. 4.まとめ



プリエディットとは

プリエディットとは、機械翻訳が翻訳しやすいように原文を修正する作業のことです。日本語から英語に翻訳をかける場合には、機械翻訳にかける前に原文=日本語を修正する作業を指します。

原文を修正する=プリエディットすることで、機械翻訳の訳文をより良いもの近づけることができます。


機械翻訳にプリエディットが必要な理由

プリエディットが機械翻訳において必要な理由を紹介します。


誤訳や訳抜けを減らすことが見込める

1つ目の理由は、誤訳や訳抜けを減らすことが見込めることです。

機械翻訳は瞬時に大量の文章を翻訳できることが強みです。その一方、直訳的に翻訳されてしまうことも多くあります。

プリエディットをすることで、機械翻訳が間違いやすい箇所を修正できますので、誤訳や訳抜けを減らすことが見込めます。


修正時間の削減が見込める

2つ目の理由は、修正の時間が削減できることです。

機械翻訳をかけたあとの見直し・修正作業に多くの時間を費やしている方も多いと思います。修正時間が多く必要になる原因の1つに、誤訳や訳抜けなどが多発することが挙げられます。

プリエディットをすることで、この誤訳や訳抜けなどが発生する確率を下げることができますので、修正時間の削減が見込まれます。

プリエディットを行うことで、誤訳や訳抜けが少ない質の高い翻訳結果が得られるだけでなく、機械翻訳にかけた後の修正作業にかかる時間も短縮することが見込まれます。



プリエディットをする際のポイント

日本語では問題なく読むことができる文章でも、機械翻訳は文脈を読み取ることができないため、誤訳や訳抜けにつながってしまいます。意味が正しく訳出されるよう、日本語を補うなどの修正をする必要があります。


省略されている部分を補う

日本語で省略されがちな「主語」や「目的語」を補うことで、より正しく翻訳されます。

例として「急いで走る彼を見た」という文章をみていきましょう。

1つ目の解釈として、「私は、走る彼を急いで見た」というように、「走る彼」を「急いで見た私」という内容になります。

一方、2つ目の解釈として「私は、彼が急いで走る様子を見た」というように、「彼が急いで走る様子」を「私が見た」という内容になります。

「急いでいるのは誰か」という点がそれぞれの解釈によって異なっているのが分かりますでしょうか。より正しく翻訳されるよう、主語や目的語を補うことがポイントです。


ひらがな表記を漢字表記に変える

ひらがな表記や同音異義語に注意して、意味が正しく翻訳されるように修正しましょう。

例として「彼女は猫をかっている」という文章をみていきます。

「かっている」というひらがな表記ですと、「飼っている」のほか「買っている」「勝っている」のように機械翻訳が認識してしまう可能性があります。人間は前後の文脈から「飼っている」と推測することができますが、機械翻訳は基本的に1文ずつを翻訳するため、前後の文脈から読み取ることができません。

そのため機械翻訳が正しく翻訳できるように、ひらがな表記「かっている」を「飼っている」と修正することにより、正しい意味合いで翻訳されます。


1文を短くする

日本語は1文に複数の内容が含まれる傾向があります。英語は原則1文にひとつの内容を書くため、原文(日本語)でも1文にひとつの内容になるよう書き換えることで、誤訳を少なくすることができます。

例として「日本には世界中からたくさんの旅行客が訪れるが、特に外国人に人気が高い場所は京都である」という文章をみていきます。

この文章を「1文にひとつの内容」になるよう書き換えてみましょう。

1文目「日本には世界中からたくさんの旅行客が訪れる」

2文目「特に外国人に人気が高い場所は京都である」

このように2文に分けることで、機械翻訳が翻訳しやすい文章=1文にひとつの内容が入っている文章につくり変えることができました。このように修正することで、主語や目的語の誤訳を少なくすることができます。




まとめ

この記事では、プリエディットについて以下の内容を解説しました。

  • プリエディットとは
  • 機械翻訳にプリエディットが必要な理由
  • プリエディットをする際のポイント

機械翻訳の訳文結果をより良いものにし、修正時間を削減するには、機械翻訳にかける前に原文(日本語)をプリエディットすることが大切です。

インターグループ』では言語翻訳におけるトータルソリューションを提供しており、プリエディットに関するセミナー実施や、HPにてお役立ち資料の公開を行っております。

お客様がプリエディットをうまくできない場合に、機械翻訳にかけた後の修正=ポストエディットをインターグループで対応することも可能です。


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